会社から独立すると、様々な局面で税金について考えることになります。
基本的にはネガティブな形ではありますが。
そんな税金の話題の中で、最も事業主や経営者の頭を悩ませるのが税務調査です。
誰でも一度は耳にしたことのある税務調査ですが、実際にどのように行われているかというのはあまり知られていません。
しかし、税務調査はある日突然やってきます。もちろんフリーランスにも。
いざという時に焦らないためにも、事前に流れを把握しておくのはとても重要です。
ということで今回は、税務調査が実際に行われる際の具体的な流れについて解説していきます。
目次
税務調査の6つの流れ
それでは早速、税務調査の具体的な流れを見ていきましょう。
今回は、税務調査の中でも最もポピュラーである「一般調査」について解説していきます。
その1|税務署からの事前通知
まず初めに、税務署から税務調査を行うという旨の連絡が入ります。
この際に、調査を行う日時や担当者の名前、調査の対象などの詳細が伝えられます。
フリーランスや個人事業主であっても調査が入る可能性はあります。突然連絡がきても焦らないようにしましょう。
その2|調査日の日程調整
連絡が来たら、実際に税務調査を行う日程を調整します。
事前通知の時点で調査日時を伝えられますが、自分の都合がつく日程に変更することが可能です。
特に、事業の繁盛期などと重なっている場合は、無理に空けようと焦らず、しっかりと事情を説明して日程調整するようにしましょう。
その3|帳簿書類等の準備
日程が決まったら、それまでの間に必要書類を準備しておきましょう。
事前通知の際に調査の対象期間が伝えられますが、基本的には直近3年分を調査されます。
しかし、調査の最中に疑惑や不正が確認された場合、さらに過去分も調査されることもあるので注意しましょう。
調査当日をスムーズに終わらせるためにも、できるだけ見やすく整理しながら準備しましょう。
その4|調査当日
調査は10時から12時にお昼休憩を挟み、16時前後まで行われます。
1日で終わる場合もありますが、基本的に2日間行われます。
当日は、帳簿書類等の調査以外にも、事業のことやお金の流れなどについて様々な質問をされます。
何気ない質問に思えますが、それらの質問で”穴”を探ってきているので、うっかり余計なことを言わないように注意しましょう。
その5|後日、調査結果の連絡
調査が終わると、税務署により調査した資料の分析が行われ、後日調査結果の連絡が来ます。
特に間違いがなければこの時点で税務調査は終了です。
しかし、なにかしら間違いがあった場合、税務署側から修正申告と税金の追徴を求められます。
この際、税務署側の主張に納得がいかない場合は交渉する余地があります。(基本的には税理士が担当。)
その6|修正申告と追徴分の納税
最終的に決定した修正額に納得したら、修正申告書を作成して修正申告を行います。
確定申告し直すような感じです。
そして、追徴税額の納付を行い税務調査は終了です。
修正申告を行わない場合は、税務署側の要求額で強制的に修正される更正処分を受けることになります。
また、仮に修正金額に最後まで納得がいかない場合は、一度更正処分を受けた後に異議申し立ての手続きを行います。
税務調査の連絡がきた場合の心構え
続いて、実際に税務調査の連絡がきてしまった場合の心構えをいくつかご紹介します。
「税務調査=不正の疑い」ではない
第一に、税務調査は基本的にランダムで行われます。
調査の連絡がきたからといって、必ずしも不正を疑われているわけではないので、必要以上に焦りすぎてはいけません。
ドキドキしすぎて本業に支障をきたすのが一番問題です。
連絡がきても、割り切って冷静に対処するように心がけましょう。
調査当日の発言に要注意
上記でもお話ししたように、税務調査当日は調査官から様々な質問をされます。
帳簿書類に加え、経営者の発言から見える生活スタイルなども、調査官にとって重要な判断材料になります。
不用意な発言をきっかけに、大きな指摘に繋がることも考えられます。
基本的には聞かれたことに答えるようにし、慎重に言葉を選んで発言しましょう。
取引先にも調査が及ぶ可能性も
上記の通り、基本的に自分の事業で完結する税務調査ですが、場合によっては取引先にも調査の手が及んでしまうことがあります。
架空の経費を計上しているなどの疑いがかけられた際に、取引の整合性を確かめるために行われます。
不正をすると取引先にも迷惑がかかるので絶対にやめましょう。
逆に、他人の税務調査に巻き込まれることもあり得るので、相手の不正に協力することも絶対にやめましょう。
できることなら税理士に依頼しよう
税務調査に事業主1人で対応しようとすると、準備から修正申告まで全て本業の合間に行わなくてはいけません。
実務的にも精神的にもめちゃめちゃ大変です。
もし、可能であれば税理士への依頼を検討しましょう。
現在では、税務調査専門で取り扱っている税理士事務所も存在するので、調査の連絡がきてしまった後からでも依頼することができます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
会社に比べれば税務調査の確立は低いフリーランスですが、可能性は0ではありません。
万が一連絡がきてしまった場合に備えて、税務調査の知識は一通り把握しておくように心がけましょう。
終わり。