会社設立

忘れるの厳禁|会社設立後に必ず手続きしに行くべき7つの関係機関

こんにちは、カミノです。

前回のブログで、株式会社の作り方についてお話ししました。

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会社設立のためには様々な書類の準備や手続きが必要でした。

しかし実は、会社を設立した後にもやらなければいけないことはたくさんあるんです。

なんなら、会社設立の手続きよりもやることは多いかもしれません。

ということで今回は、会社設立後にやるべき手続きについて、手続き先の関係機関ごとにお話していきたいと思います。

7つの関係機関

初めに、会社設立後に手続きしに行くべき7つの関係機関をご紹介します。

基本的に順番は関係ありません。

7つの関係機関
  1. 法務局で手続き
  2. 金融機関で法人口座の開設手続き
  3. 税務署への届け出
  4. 地方自治体への届け出
  5. 年金事務所への届け出
  6. 労働基準監督署への届け出(※)
  7. ハローワークへの届け出(※)

※)従業員を雇う場合に必要

以上の7つになります。

注釈にもありますが、下の2つは従業員を雇う場合に必要になるので、社長1人の会社であれば手続きする必要はありません。

それでは、1つずつ見ていきましょう。

法務局で手続き

設立の登記申請で利用した法務局ですが、設立が完了した後も以下の手続きが必要になります。

  • 登記事項証明書の取得
  • 印鑑証明書の取得

この2つは後述する手続きで必要になるので、必ず最初に取りに行くようにしましょう。

登記事項証明書の取得

登記事項証明書とは、登記記録に記録された事項の全部または一部を証明した書面のことをいいます。

簡単にいうと、法務局に保存してある会社の登記簿をコピーしたものです。

一般的には、「登記簿謄本」と呼ばれることのほうが多いです。

この登記事項証明書には以下の4種類があります。

  • 履歴事項全部証明書(以前の変更登記等の履歴も残る)
  • 現在事項証明書(現在効力がある登記事項のみ)
  • 代表社事項証明書(代表社に関する事項のみ)
  • 閉鎖事項証明書(吸収合併や本店移転などの履歴が入る)

会社設立後に必要になるのは、一番上の履歴事項全部証明書になります。

この後の手続きで何度か必要になるので、3~5通ほどまとめて取得しておきましょう。

印鑑証明書の取得

登記申請の際に、会社の実印(代表社印)も提出して登録しました。

この実印の印鑑証明書も合わせて取得します。

会社の実印は、手続き以外にも取引先との契約など様々な場面で使われます。

そういった時に印鑑証明書が必要になることも多いので、こちらも何通かまとめて取得しておくようにしましょう。

金融機関で法人口座の開設手続き

会社を設立したら、銀行や信用金庫などで法人口座の開設を行います。

個人の口座に比べて書類の準備が多かったり、審査が厳しかったり、開設まで時間がかかったりと何かと手間がかかるので注意しましょう。

口座開設が断られてしまうポイント

設立した会社の実態によっては、口座の開設を断られてしまうこともあり得ます。

今回は断られやすくなるポイントを3つご紹介します。

① 資本金の金額が極端に低い

資本金1円から会社を設立することができますが、あまりも金額が低すぎると口座開設を断られる可能性があります。

銀行によっては、法人口座開設のための最低資本金額が設定されていたりするので、事前に必ず確認しましょう。

② 登記上の本店所在地で事業が行われているか

バーチャルオフィスのように、会社の実態がない住所を本店所在地にしていると口座開設を断られる可能性があります。

これは口座の犯罪利用を防ぐために行われています。

銀行によっては、賃貸契約書の提出が求められる場合があるので注意が必要です。

③ 事業内容・目的が不明確

定款に定める事業目的が不明確で、事業の実態が見えない場合口座開設を断られる可能性があります。

事業計画書のような具体的な資料も準備しておくとスムーズになります。

法人口座開設のための必要書類

手続きを行う金融機関によっても異なりますが、法人口座開設のための主な必要書類は以下の通りです。

  • 口座開設依頼書
  • 登記事項証明書
  • 代表取締役の印鑑証明書
  • 会社の実印
  • 会社の銀行印
  • 定款
  • 身分証明書

基本的に、各金融機関のホームページで調べることができるので、事前に確認するように心がけましょう。

税務署への届け出

会社を設立したことによって、税務署に様々な書類を提出しなければいけません。

その中でも提出が必須のもの・重要度が高いものについてご紹介します。

法人設立届出書

法人設立届出書とは、設立した会社について税務署に知らせるための書類です。

会社設立から2か月以内に提出しなければいけません。

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また、法人設立届出書には「定款のコピー」を添付して一緒に提出します。

青色申告の承認申請書

青色申告の適用を受けるために、会社も青色申告承認申請書を提出します。

個人事業時代に提出していた所得税についての青色申告承認申請書ではなく、法人税についての青色申告承認申請書になるので注意しましょう。

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会社設立から3か月以内が期限になります。

給与支払事務所等の開設届

給与支払事務所等の開設届とは、会社や事業主が従業員に対して給与を支払う場合に提出が必要な書類です。

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仮に社長1人であっても、会社から給与を受け取ることになるので、必ず提出するようにしましょう。

源泉所得税の納期の特例に関する申請書

源泉所得税の納期の特例に関する申請書とは、通常毎月納税する従業員の源泉所得税を、半年ごとの年2回でまとめて納税するために必要な書類です。

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給与を支払う従業員が10名未満の会社は、申請書を提出することで特例を受けることはできます。

毎月の納税の手間が軽減されるので、ぜひ提出するようにしましょう。

個人事業の廃業届出書

個人事業からの法人成りによって会社を設立した場合、個人事業の廃業届の提出も必要です。

また、個人事業廃業の際は他にも提出書類があるので、気になる方はコチラ↓をご覧ください。

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もし、会社設立まで個人事業廃業の手続きをしていなかった場合は、忘れずに行うようにしましょう。

地方自治体への届け出

税務署への届け出の次は、地方自治体への届け出を行います。

税務署が国税、地方自治体が地方税ですね。

地方自治体への届け出に必要な書類は以下の通りです。

  • 法人設立届出書
  • 定款のコピー
  • 登記事項証明書

ただし、提出書類や法人設立届出書の様式は自治体によって異なる可能性があるので、各自治体のホームページなどで確認するようにしましょう。

年金事務所への届け出

社長1人の会社であっても、会社を設立すれば社会保険(健康保険・厚生年金保険)への加入が義務付けられます。

社会保険加入義務の発生事実(会社設立時や従業員の雇用時)から5日以内が提出期限となっています。

以下の3つの書類を年金事務所に提出します。

健康保険・厚生年金保険新規適用届

「会社」として社会保険に加入するための書類です。

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登記事項証明書や賃貸契約書のコピーを添付して提出します。

健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届

社長や従業員などの「個人」が社会保険に加入するための書類です。

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健康保険被扶養者(異動)届

社長や従業員などの社会保険に加入する人の、扶養に入っている人が社会保険に加入するための書類です。

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ご家族がいる場合は必要な書類になります。

労働基準監督署への届け出

会社が従業員を雇う場合は労働保険と雇用保険に加入しなければいけません。

残りの2つはそのための届け出となります。

それでは、労働保険加入のために労働基準監督署に提出する書類からみていきます。

保険関係成立届

まず、保険関係成立届を管轄の労働基準監督署に提出します。

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保険関係成立後10日以内が提出期限です。

また、登記事項証明書の添付が必要になります。

概算保険料申告書

概算保険料申告書は、保険関係成立届を提出した際に貰えます。

労働保険料を概算によって前払いするための書類で、保険関係成立後50日以内が提出期限になります。

金銭面での事情を考慮した上での50日以内ということになります。

ハローワークへの届け出

続いて、雇用保険加入のために以下の書類をハローワークに提出します。

雇用保険適用事業所設置届

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提出の際は、以下の書類を添付します。

  • 保険関係成立届
  • 登記事項証明書
  • 事業所の賃貸契約書 等

また、事業所設置から10日以内が期限となります。

雇用保険被保険者資格取得届

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労働者名簿など、雇用した事実を証明する書類を添付します。

また、資格取得の事実があった翌月10日までが提出期限となります。

まとめ

いかがだったでしょうか。

ご覧頂いた通り、会社設立後も様々な手続きが必要になります。

自分で行うのはかなり手間がかかりますし、そもそも全て把握するのも困難です。

税務署への手続きは主に税理士が、保険関係は社会保険労務士が代行することができるので、会社設立前後は専門家に相談してみることをおすすめします。

 

 

終わり。