青色申告で65万円の特別控除を行うためには、複式簿記によって全ての取引を仕訳し、帳簿を作成することが原則になります。
恐らく、青色申告を嫌煙されている方の多くは、この帳簿作りが大変そうと感じていることだと思います。
と、一見めんどくさそうな帳簿作りです。
しかし、ある工夫をすることで自分の力を使うことなく、ほとんどの帳簿を完成させることができるんです。
ということで今回は、帳簿作りを超簡略化する3つの工夫についてお話しします。
目次
帳簿作りを超簡略化する3つの工夫
結論からいうと、帳簿作りを簡略化する工夫というのは、”帳簿を作ってもらう”ということです。
分かりやすい例でいうと、金融機関の預金通帳などのことです。
預金通帳は、その預金口座の取引が全て記録されており、通帳記入したそのままが帳簿としての役割を果たします。
つまり、全ての取引を預金通帳のように自動で取引を記入できれば、ほとんど自分の手を煩わせることなく帳簿を作成することができるということです。
- 入金・出金はできるだけ銀行振り込み
- 細かい経費はクレジットカードで
- 電車賃はPASMO
(①~③により、ほとんどの取引で帳簿作りの必要がなくなります。)
この3つが、今回お話しする3つの工夫です。
要するに、キャッシュレスで現金を使わない工夫ということになります。
それでは、1つずつお話していきます。
入金・出金はできるだけ銀行振り込み
まずは私用と事業用の預金通帳を分ける
第一に、取引の中で可能なものは、全て銀行振り込みで行うようにしましょう。
上記でもお話しした通り、預金通帳は帳簿としてのクオリティが高く、取引内容も見やすいのが特徴です。
まずは、プライベートで使っている私用のものとは別に、事業用の預金通帳を作成しましょう。
逆に私用とごっちゃになってしまうと、事業の取引を抜粋するのがとても面倒になるので、必ず事業用に作るようにしましょう。
さらに入金用と出金用の預金通帳を分ける
そしてできることなら、事業用の預金通帳をさらに入金用と出金用の2つに分けます。
売上の振り込みは入金用に、仕入や経費の支払い・引き落としは出金用の預金通帳で行います。
最初は多少手続きが必要ですが、2つに分けることでより見やすくなり、売掛金の管理などもしやすくなります。
出金用の預金通帳には、月末月初など定期的に入金用から現金を移します。
現金を移す際はこのような仕訳になります。
注意点として、出金用に定期的に現金を移すことを忘れないようにしましょう。
細かい経費はクレジットカードで
直接銀行振り込みで賄えない細かい経費などについては、事業用に作成したクレジットカードを使用して支払うようにしましょう。
引き落とし先を、上記のように出金用の預金通帳にすることで、銀行振り込みで支払えない経費も預金通帳に記載させることができます。
さらに、カード会社からの明細を見ることで、1つ1つの取引概要も把握することができます。
ただし、独立や起業後にクレジットカードを作ろうとすると、カードによっては審査が下りない可能性もあるので、独立準備中の会社員時代に作っておければ確実です。
電車賃はPASMO
PASMOで利用履歴を一括発行
取引先への交通費など、定期外の電車賃を支払う機会も多くなります。
切符で買う場合、本当はその都度領収書を発行しなくてはいけません。
正直手間です。
しかし、PASMOを使えば利用履歴を残すことができるので、1回ずつ領収書を発行する必要がなくなります。(ただし、表示件数は直近20件なので、定期的に履歴を発行するようにしましょう。)
履歴書の発行の方法は、PASMOホームページ「ご利用方法|履歴の確認」をご覧ください。
クレジットカードでの自動引き落としも
PASMOは指定のクレジットカードと連動することで、オートチャージサービスを利用することができます。
クレジットカードと連動しているので、毎回現金をチャージする必要がなくなります。
これによって、電車賃も上記の出金用の銀行口座に表示させることができます。
ただし、PASMO指定のクレジットカードしか対応していないのが特徴です。
申し込み方法の詳細などは、PASMOホームページ「オートチャージサービス:お申込み方法」をご覧ください。
会計ソフトがあれば万全
上記の3つの工夫は、会計ソフトを使うない場合でも、帳簿作りの大きな時間短縮になりますが、会計ソフトも併せて使用することで、経理の時間全体を圧倒的に短縮することができます。
近年の会計ソフトは、金融機関やカード会社との連動によって仕訳の自動作成、なんていう機能も存在します。
さすがに100%の精度ではありませんが、今後のキャッシュレス化の波に合わせて、さらに高度になっていくことは間違いありません。
現在白色申告をしている事業主の方は、会計ソフトの導入によって青色申告を始めてみましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
少しの工夫をすることで、帳簿作りはとても簡略化することができます。
一度準備をしてしまって、習慣化してしまえばとても楽になるので、事業主やフリーランスの方は是非参考にしてみてください。
終わり。