フリーランスや個人事業主で、たまに問題になるのが住民税の払い忘れです。
独立すると、環境や仕事が大きく変化したり、確定申告をやらなきゃいけなかったりと、住民税の支払いはつい後回しで考えがちです。
しかし、住民税をないがしろにするのは本当に危険でヤバい行為です。
仮に、うっかり忘れただけでも立派な滞納になります。
今回のブログでは、住民税を滞納するとなにが起こるのか、また、滞納したらどうすればいいのか、ということについてお話していきたいと思います。
目次
住民税滞納で起こる3つのヤバいこと
それでは早速、住民税を滞納していると起こるヤバいことを順にご紹介していきます。
レベル1|督促状が届く
まず、第一段階。
住民税の納期限から20日が過ぎると、お住いの自治体から督促状が送られてきます。
「赤紙」なんて言われたりもしますが、督促状の様式は自治体によって異なります。
督促状には、滞納している住民税と延滞金を合わせた金額が記載されています。
この督促状が届いたら1日でも早く支払うようにしましょう。
レベル2|徹底的な財産調査
督促状は、基本的に1回以上複数回送られてきます。
しかし、それでも支払いを行わないで無視し続けた場合、「支払いの意思なし」と判断され、差押えのための財産調査が行われます。
財産調査はかなり徹底していて、勤め先はもちろん通帳がある金融機関まで、お金のありそうなところは全て調べられます。
なんといっても相手は国です。逃げ場はありません。
レベル3|最終手段差押え
最終警告として差押予告書が届きます。
それも無視した場合、ついに差押えが実行されます。
個人差はありますが、およそ2年以上滞納した場合に、差押えが行われるケースが多いです。
しかし、督促状発行から10日後には差押え可能、と法律には定められているので予告なしに差押さえが始まる可能性もあります。
ちなみに、預金や給与、家に車など、生活に最低限必要なものを除いて、換金可能なものは全て差押えの対象になります。
住民税を滞納してしまった時にとるべき行動
続いては、仮に滞納してしまった時にとるべき行動についてお話します。
支払いの意思表示を必ずしよう
最も大切なことは、支払う意思があることを示すことです。
督促状が届いたらすぐに支払うのはもちろん、仮にお金がなくても、自治体に出向きその旨をきちんと相談しましょう。
誠意をもって事情を説明することで、分納に応じてもらえる可能性もあります。
間違っても差押えまで放置せず、必ず自分から支払いに行くように心がけましょう。
滞納した税金の支払いは最優先
納税は国民の義務の1つであり、支払う相手は国です。
普通の借金であれば、最悪の場合、自己破産によってチャラになることもあります。
しかし、税金の取り立ては自己破産しても、完納するまで決して終わることはありません。
「他から借金してでもまず税金から払え」なんて言われたりもするほど、税金の取り立ては恐ろしいものです。
もし税金を滞納した場合は、その支払いを最優先にするようにしましょう。
住民税の延滞金の計算
上記でもお話した通り、住民税を延滞した場合は罰として延滞金が加算されます。
延滞金の利率は各自治体によって異なるので、お住いの自治体のホームページで確認してみましょう。
今回は参考として、東京都北区の延滞金の利率をご紹介します。
2018~2019年分について
- 納期限の翌日から1か月未満:年2.6%
- 納期限の翌日から1か月以降:年8.9%
計算式↓
【 滞納額 × 年利 × 延滞日数 / 365日 】
(参考:北区 住民税を納期限までに納められない場合の延滞金)
延滞金は完納するまで毎日少しずつ加算されていくので、1日でも早く完納するようにしましょう。
独立1年目に住民税を滞納しないための4つのポイント
最後に、独立1年目に住民税を滞納しないためのポイントをお話していきます。
住民税も考慮した事業資金の準備
まず1つ目が、住民税の支払いも考慮した事業資金を準備しておくことです。
会社員から独立した1年目の住民税は以下のような注意点があります。
- 普通徴収により3ヶ月分の住民税を6月、8月、10月、翌1月に納付
- 独立1年目に払うのは前年会社員時代の課税分
まず、普通徴収に変わることで住民税の支払いが年4回になります。
毎月支払う手間はありませんが、まとまった分1回の支払いが高額です。
また、独立1年目で売上が全くない状態でも、前年度の住民税を支払わなくてはいけません。
最悪の場合も考慮して、できるだけ事業資金には余裕を持って独立するようにしましょう。
独立に必要な手続きリストの作成
2つ目は、独立で必要な手続きや支払いのリストを作るです。
住民税滞納で一番多い理由は、うっかり支払いを忘れてしまうことです。
特に、独立1年目は本業が大忙しなことに加え、様々な手続きが必要になります。
1人での仕事や慣れない経理など、色々なことで手一杯になりがちですが、しっかりと整理して1つ1つこなしていけば、決して難しい作業ではありません。
“攻め”だけでなく”守り”もこなせるように心がけましょう。
相談相手を必ず見つけよう
住民税に限ったことではありませんが、独立に際して事業の相談相手がいるかどうかというのはとても重要です。
事前に、独立の注意点を聞くだけでも様々なリスクを回避することができるはずです。
税理士やコンサルなどはもちろんですが、独立の先輩や行きつけのBarの店長など、自分と同じ境遇の仲間を見つけることができれば、事業を営む上で大きなプラスになります。
最近では、起業家のオンラインサロンなども多数存在するので、身近にいない場合はネットで繋がりを作るのもアリです。
届いた封筒は即確認
そして最後に、届いた封筒は必ずすぐに中身を確認するようにしましょう。
事業主であれば、税務署や役所などからお堅い封筒が様々届きます。住民税の納付書や今回の督促状もその1つです。
正直、こういった封筒や手紙は、見るのも嫌だという人が大半だと思います。
私も苦手です。
しかし、お堅い難しそうな書類に限って、後回しで放置しているとヤバいことになります。
届いた封筒はなるべくその日のうちに開封するクセをつけましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
初めはただのうっかりで滞納してしまっただけでも、気づいた時には負のスパイラルにはまってしまいます。
たかが住民税と甘くみず、しっかりと期限通りの支払いを意識しましょう。
終わり。