こんにちは、カミノです。
事業主が税理士を探す方法として有名なのが「知人からの紹介」です。
知り合いの社長や取引先を通して税理士を紹介してもらうので、互いにある程度の信頼が保証される最もポピュラーな方法となります。
というように、当然ですが該当する”知人”がいなくてはこの方法は行えず、その場合はネット検索など自力で探さなくてはいけません。
しかし、事業を営みつつ1から税理士を探すのは正直に言って面倒です。
そんな時、利用を考慮したいのが税理士紹介サービスです。
名前の通り事業主に対して税理士を紹介するサービスで、基本的に事業主は無料で利用することができます。
今回のブログでは、税理士紹介サービスが無料である理由や、利用するメリット・デメリットについてお話していきます。
目次
税理士紹介サービスが無料の理由
税理士紹介サービスとは、事業主の提示した条件に合う税理士を複数紹介してくれるサービスであり、どの紹介会社も事業主側の費用は無料というのが基本です。
事業主側が無料な理由は単純明快で、紹介する税理士側からお金を得ているというのが答えです。
会社によって料金形態は様々ですが、基本的に以下のような形で税理士は支払いを行います。(数字は適当。)
- 会費として月額2万円の支払い
- 成約した場合に限り顧問料の30%を3年間支払い
というような売上で成り立っているビジネスモデルとなります。
主に②が多い印象です。
逆に、紹介会社としては顧問契約まで達成して初めて利益になるので、事業主が納得するまで要望に合う税理士を全力で紹介してくれるともいえます。
税理士紹介サービスの5つのメリット
それでは、実際に税理紹介サービスを利用するメリットについて、利用する事業主側と登録する税理士側のそれぞれの視点からお話していきます。
自分で探す手間が省ける(事業主側)
利用する事業主にとって一番のメリットが、自分で探す手間が省けるということです。
最初に要望や条件を伝えてしまえば、あとは紹介会社主導で条件に合う税理士を複数見繕ってくれます。
仮に自力で税理士を探す場合、以下のようなプロセスを踏まなくてはなりません。
というように、本業の合間にこなすにはそれなりに時間も労力も必要になります。
税理士紹介サービスを利用することで、これらの手間を全て省くことができます。
第三者に間に入ってもらえる(事業主側)
初めて税理士を探すという人の中には、税理士が一体どういうものか詳しく分かっていないという人も多いかと思います。
税理士の仕事がなんなのか、自分がなにを求めているのかということが分かっていないと、実際に税理士と面談する際に聞きたいことを上手く聞けずに終わってしまうという事態になりがちです。
しかし、紹介会社によっては面談の際に専門の職員が同伴してくれることがあります。
紹介会社の職員が進行をしてくれるので、初めてでもスムーズに面談を行うことができます。
直接税理士に言いにくいことも相談できる(事業主側)
紹介会社が間に入ってくれることで、顧問料に関してなど、直接税理士に対して言いにくいことも相談しやすくなります。
具体的には、サービス内容の取捨選択をサポートしてもらうことで、値引き交渉による顧問料の減額などが行える場合があります。
また、税理士主導の交渉ではなくなるので、知らないことに付け込まれてカモにされるといった事態も避けることができるのも特徴です。
集客の窓口が増える(税理士側)
税理士側のメリットとして、紹介サービスに登録することで集客の窓口を増やすことができます。
税理士事務所の悩みで一番多いのは集客です。
なかなか自分の力だけでは集客に限界がある場合、紹介会社経由で新しく顧客を獲得できるのは大きなメリットになります。
ホームページがなくても登録できる(税理士側)
税理士紹介サービスに登録する場合、基本的に紹介会社のホームページ内に紹介ページが作られることになります。
事務所ホームページがあればリンクを貼ることもできますし、仮になくても問題なく登録することができます。
紹介会社を通してネット集客が可能になるので、事務所のホームページを作れない場合などは大きなメリットになります。
税理士紹介サービスの5つのデメリット
メリットが多くある反面、税理士紹介サービスの利用にはデメリットも多く存在します。
こちらも事業主側と税理士側のそれぞれの視点からお話していきます。
税理士のモチベーション(事業主側)
事業主側のデメリットの1つ目が、顧問契約した場合の税理士のモチベーションです。
上記でお話したように、税理士紹介サービスは税理士からの費用の支払いによって成り立っています。
主に、契約後の顧問料の何割かを毎月紹介会社に支払うことになります。
つまり、通常顧問先になった場合と比べ、同じ仕事量なのに関わらず税理士の取り分は少なくなることになります。
税理士も人間ですので、サービスに極端な差がないにしろモチベーションが低くなるのは必然といえます。
そもそも自分で集客できる税理士は登録しない(事業主側)
そもそも自分の力で集客ができる税理士は、わざわざ手数料が必要な税理士紹介サービスに登録することはありません。
なんとなくイメージして頂ければ分かるように、登録している税理士の多くはネットでの集客を苦手としている税理士です。(もちろん登録している全員がそういう訳ではありません。)
つまり、紹介会社を利用して税理士を探す場合、集客力の低い税理士に当たってしまう可能性も高くなります。
登録している税理士しか紹介されない(事業主側)
当然ですが、その紹介会社に登録していない税理士が紹介されることはありません。
上記の通り、集客に困っていない税理士はほとんど登録することがないので、税理紹介サービスを利用してしまうとそういった事務所とマッチングすることはなくなります。
もちろん「集客できている=いい税理士」とは限りませんが、登録されている税理士に限定してしまうことで、自ら最適な税理士に巡り合う機会を放棄しているともとれます。
税理士紹介サービス内でも競争は必須(税理士側)
続いて税理士側のデメリットですが、税理士紹介サービスに登録したからといって、確実に集客ができるようになるわけではありません。
登録されている税理士同士での集客競争が待っています。
紹介会社のプロットに従わなくてはならず、差別化はむしろしにくくなってしまうので、結果的に価格競争に巻き込まれることになります。
価格競争+紹介手数料の支払いによって、顧問契約を勝ち取ったとしてもほとんど利益が出ないということも考えられます。
紹介のさじ加減に依存(税理士側)
登録する税理士は「紹介してもらう」という立場になります。
最終的に顧問契約まで結びつけるため、紹介会社に大きく依存することになってしまい、上記のメリットで話したような値引き交渉に応じざるを得ない状況になってしまう可能性があります。
契約する事業主側の心理としても、自分で税理士を探した場合より「税理士変更」を選択しやすくなる傾向があります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
利用する事業主にとっては一考の価値がありますが、正直なところ、税理士側からすると登録する価値はあまりないようにも思えます。
税理士紹介サービスを利用するにしろしないにしろ、理想はお互いに信頼しあえる関係を築くことであると肝に銘じておきましょう。
終わり。