人によって理由は様々あると思いますが、フリーランスや個人事業主から、会社設立を考えている方もいらっしゃると思います。
しかし、いざ会社を作ろうと思っても、一体何から手を付ければいいのか分からないと思います。
ということで、会社設立(株式会社)のために最初にやることとなる、「会社の基本事項」についてお話していきます。
基本事項という名前の通り、会社の根幹となる部分になります。
今回は、基本事項の中でも、最低限どんな会社にも共通する部分についてご紹介します。
仮に、司法書士さんなどの専門家に会社設立を依頼する場合にも、この基本事項をあらかじめ考えておくと話がスムーズになるのでご参考ください。
目次
会社の商号を決める
会社の商号を決めます。
なんだか聞きなれない単語ですが、商号とは会社の名前のことです。
フリーランスや個人事業の「屋号」であれば、基本的に自由に名前を付けることができました。
しかし、会社の商号の場合、いくつか決めるためのルールが存在します。
代表的なルールは以下の通りです。
- 商号の前後に「株式会社」を入れる
- 同一住所に同一商号を登記することができない
- 「銀行」や「病院」など法令で禁止されているものは使用できない
- 公序良俗に違反しないように
商号は会社の顔とも言える大事な部分ですので、商号調査などの事前準備を重ねて、納得のいく名前にできるように心がけましょう。
会社の本店所在地を決める
会社の本店所在地となる住所を決めます。
仮に、物理的なオフィスや店舗がなかったとしても必要になります。
本店所在地は、事務所や自宅、バーチャルオフィスなどの住所が認められています。
しかし、会社設立後は、本店所在地として登記簿に載ってしまうので、自宅の住所にする場合は注意が必要です。
会社の事業目的を決める
会社の事業目的を決めていきます。
事業目的とは、その会社が行う業務内容のことです。
目的を決める際は、以下のようなポイントを考慮して決めていきます。
- 適法性・明確性・営利性に則った目的
- 該当する目的を複数かつ具体的に
- 許認可が必要な業種かどうか
- 将来行う可能性がある目的も記載
- 目的の最後に「前各号に附帯する一切の業務」と記載
具体的にどんな目的を書けばいいか分からない場合は、ネットで同業他社の例を検索してみましょう。
会社の資本金の金額を決める
資本金とは、会社の創業資金となるためのお金です。
会社を設立する場合は、この資本金が必ず必要になります。
現在では、資本金1円から会社を設立することができます。
しかし、資本金の金額があまりも少なすぎると、信用面などで後々不利になってしまうので注意しましょう。
また、1,000万円以上になると、設立後2年間の消費税の免除がなくなってしまいます。
ですので、100万円<資本金額<1,000万円くらいがおすすめです。
会社の発起人(出資者)を決める
発起人とは、上記の資本金を出資する人のことをいいます。
お金を出して会社を作る人です。
発起人は、会社を設立したあとは「株主」となります。
発起人は何人いてもいいのですが、ここで問題になるのが1人1人の出資額です。
株式会社は、出資額の大きさによって経営の権力の大きさが決まります。
間違っても、発起人の出資額が全員同じ、というようなことはやめましょう(゜゜)。
会社の発行可能株式総数を決める
発行可能株式総数とは、読んで字の如く、将来的に発行することが可能な株式の数です。
その上限数を決める必要があります。
原則として、会社が実際に発行している株式数の4倍が、発行可能な上限と決められています。
しかし、「株式の譲渡制限規定」のある会社はその上限がなくなるので、自由に発行可能総数を決めることができます。
「株式の譲渡制限規定」とは、第三者が株式を取得しようとする場合、取締役会や株主総会による許可が必要であるという規定です。
実際に発行可能株式総数を決める場合は、以下のような手順で決めていきます。
後々のことも考えると、出来るだけ多めに設定しておくことが得策です。
会社の役員構成を決める
役員とは、実際に会社の経営を行う人のことをいいます。
中小企業の場合、上記でも登場した「株主=役員」となるケースがほとんどです。
役員には様々な種類があるのですが、代表的なのは取締役と監査役になります。
会社の方針や業務内容を決めるのが取締役、取締役の業務執行について監査するのが監査役といいます。
現在の会社法では、取締役が1人いれば株式会社を設立することができます。
会社の事業年度を決める
フリーランスや個人事業主の場合、1月1日から12月31日が事業年度となりますが、会社の場合、この事業年度を自由に決めることができます。
一般的に、個人と一緒の12月決算か、4月1日を1年の初めとする3月決算の会社が多いです。
しかし、このメリットを最大限生かすために、会社の繁盛記を避けて、出来るだけ暇な月が決算になるように事業年度を設定しましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回お話ししたような基本事項は、会社を設立した後は簡単に変更することができなくなります。
会社を設立する際は、将来のこともしっかりと考慮しながら基本事項を決めるように心がけましょう。
終わり。